皮膚の細菌感染症について|札幌市中央区 皮膚科 大通駅 AGA 男性型脱毛症 プロペシア|加藤直子皮膚科スキンクリニック

加藤直子皮膚科スキンクリニック

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皮膚疾患について
【皮膚の細菌感染症について(院長 加藤直子)】

私達の皮膚は外界と直接接しているため、様々の菌と遭遇します。ヒトの皮膚からみつかる菌群をヒト皮膚細菌叢(ひふさいきんそう)といいます。それらは大きく常在菌と通過菌あるいは停留菌に分けられます。一般に皮膚の細菌感染症は後者の通過菌によっておこります。一方、常在菌は、皮膚の湿度や温度の条件が細菌の発育にとって都合の良い部位に常に生育しています。それらは、たとえば、ひたい、鼻の入り口付近、脇の下、外陰部、足の小指と薬指の間などです。これらの菌は通常は病気を起こさず、そこに静かに生育しているだけですが、何かのきっかけ(傷がつく、温度が上昇するなど)があると、一気に増えて病原性を発揮し感染症を発症することがあります。(表1)

表1




それらヒトの皮膚の細菌感染症は、だいたい5つのグループに分けられています。それらは、皮膚の浅い部位におこるタイプ(浅在性皮膚感染症)、深い部位におこるタイプ(深在性皮膚感染症)、慢性に繰り返して膿皮症となるタイプ、皮膚が欠損した潰瘍部分に二次的に細菌感染を合併するタイプ、細菌感染から全身性の感染症状を併発するタイプなどです(表2)。

表2



これらを引き起こす細菌は皮膚感染症部分の水疱を擦ったり、膿汁を搾ったり、壊死組織を一部取ったりなどして細菌培養検査をすると確認することができます。多くの施設から、それらの培養検査結果が出ていますが、培養される菌の約50%をブドウ球菌が占めています。また約20%を連鎖球菌が占めています。これらはグラム染色で青く陽性に染色される性質を持つグラム陽性球菌ですが、この2種類の菌で約70%の皮膚感染症が起きていることになります。そのため、皮膚科で皮膚感染症を治療する際は、これら2種類の菌をターゲットにした抗生物質の全身投与(内服や点滴治療)や外用治療を試みます(表3)。

表3

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