あけぼの耳鼻咽喉科クリニック | 札幌市 手稲区|耳鼻咽喉科|
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2013年7月11日
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome・・通称SAS)
閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは・・
一晩の睡眠において1時間あたり、15回以上、呼吸の止まった状態(無呼吸)やとまりかける状態(低呼吸)、または睡眠1時間あたり5回以上の無呼吸、低呼吸がありそれに加えて日中の眠気、倦怠感、中途覚醒など自覚症状を伴うもの
・・・と定義されています。
睡眠中に何度も無呼吸や低呼吸が繰り返されると、睡眠が妨げられて、日中の眠気を引き起こします。
簡単に言うと、イビキが強くて、時々息がつまって呼吸しない状態を一晩に何度も繰り返して、朝寝起きが悪く、ぼ〜っとしてしまう症状です。
その結果、居眠り運転からの交通事故、作業中の事故、ミス、学業不振などの原因の一つとなり、加えて睡眠不足により、いらいら感、頭痛などの自覚症状を伴います。
また、呼吸が止まることにより、血液中の酸素濃度の低下も繰り返されており、そのために高血圧、心筋梗塞、脳卒中、耐糖能異常(糖尿病の前段階)などの合併症を引き起こすことも知られており、治療せずに放置していると生命に危険が及ぶ場合もあります。
(実際、睡眠時無呼吸症の方の5年後の生存率は、そうでない方の約6割程度になるといわれています)
閉塞型睡眠時無呼吸症候群と、中枢型睡眠時無呼吸症候群に大きく分けられます。
今回ここでは睡眠時無呼吸の大部分を占める閉塞型睡眠時無呼吸症候群について説明いたします。
典型的な睡眠時無呼吸症候群の方の体型は肥満体型で、二重顎、下顎が小さめといわれています。
睡眠時無呼吸および低呼吸の原因と仕組み
睡眠時無呼吸は多くの場合、空気の通り道である気道が完全、あるいは部分的に閉塞してしまうことによって起こります。
そのため、もともと気道が狭い構造になりやすい、肥満体の方、首が太くて短い方、顎が小さい方、扁桃腺やアデノイドが大きい方が、睡眠によりのどの筋肉や舌が緩みさらに気道が狭くなると、息を吸ったとき、肺からの陰圧により狭い気道がさらにせばまって無呼吸となります。
息を吐いたとき
息を吸ったとき
睡眠時無呼吸の診察・検査
鼻、のどの診察
・・・鼻がつまっていないか?閉塞の原因となるような、扁桃肥大、アデノイド肥大などないか?など診察します。
(当院で診察可能です)
アプノモニター
・・簡易型の睡眠時無呼吸検査です。
取り付け方も簡単で、小型ですので自宅で検査を行うことができます。
リストバンド型の本体に呼吸センサーと、指に血中酸素飽和濃度をみるセンサーがついていて、それぞれ装着します(当院で検査可能です)
終夜睡眠ポリソムノグラフィ検査
・・脳波、心電図、胸部、腹部の呼吸運動、鼻からの空気の流れ、動脈中の酸素濃度など記録します。入院での検査となります。
睡眠時無呼吸症候群の治療
1)生活習慣の是正
規則正しい生活
減量
禁煙
飲酒・精神安定剤の内服の制限
2)経鼻的持続陽圧呼吸療法装置(nasal Continuous Positive Airway Pressure , nasal CPAP)
一定圧を加えた空気を鼻から送り込むことによって上気道の閉塞を取り除き睡眠中の気道を確保する治療法です。
多くの方に有効で、睡眠時無呼吸症候群の治療の第一選択となっております。
帝人ファーマ株式会社「睡眠時無呼吸症候群の治療」より抜粋
アプノモニターの結果で直接CPAP導入となるか、さらに終夜睡眠ポリソムノグラフィーが必要か判断します。
3)手術的治療
鼻の手術
(内視鏡下鼻内副鼻腔手術、下甲介切除術、粘膜下下甲介骨切除術、鼻中隔矯正術など)
鼻閉が強い場合、nasal CPAP,での治療が困難なため、鼻の通りをよくして楽にnasal CPAPができるように手術を行います。
のどの手術
アデノイド切除術・口蓋扁桃摘出術
・・子供の睡眠時無呼吸に対して行うことが多いです。
口蓋扁桃摘出術・・・
軟口蓋形成術
・・・・軟口蓋(上あごの柔らかいところ)口蓋垂(のどちんこ)の一部切除と口蓋扁桃の摘出を行います。(もちろん全身麻酔です)ただ、術後は激しい痛みを伴います。また、術後、短期的には、術後出血、長期的には、鼻咽腔逆流(水を飲むと鼻に逆流する)などの合併症を伴うことがあります。術後の成績は著明改善から不変まで様々ですが、肥満体、小顎などがあると改善度が低い様に感じます。
よい適応は、標準体型からやせ形のかたで、口蓋扁桃、軟口蓋が大きい方は無呼吸の改善が期待できると考えます。
4)歯科装具(マウスピース)
上下の顎の間に固定し、下顎を引き出す装置です。軽度から中程度の睡眠時無呼吸の方に勧められています。ただ、鼻閉が強い方や、顎関節に問題のある方は使用を避けた方がよい、とされています。マウスピースによる副作用はほとんどありませんが、装着し初めは顎や歯の違和感や、痛み、かみ合わせに問題が生じることがあります。
最後に
睡眠時無呼吸はご自身ばかりではなく、ご家族にもイビキがうるさい、息が止まって心配・・放置すると、致死的な疾患の罹患率が上がるなどと、大きな影響があります。
検査から治療まで、多少煩雑なところもありますが、ご自身のためにもご家族のためにも、気になる症状のある方は検査を受けてみてください。
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睡眠中に何度も無呼吸や低呼吸が繰り返されると、睡眠が妨げられて、日中の眠気を引き起こします。
簡単に言うと、イビキが強くて、時々息がつまって呼吸しない状態を一晩に何度も繰り返して、朝寝起きが悪く、ぼ〜っとしてしまう症状です。
その結果、居眠り運転からの交通事故、作業中の事故、ミス、学業不振などの原因の一つとなり、加えて睡眠不足により、いらいら感、頭痛などの自覚症状を伴います。
また、呼吸が止まることにより、血液中の酸素濃度の低下も繰り返されており、そのために高血圧、心筋梗塞、脳卒中、耐糖能異常(糖尿病の前段階)などの合併症を引き起こすことも知られており、治療せずに放置していると生命に危険が及ぶ場合もあります。
(実際、睡眠時無呼吸症の方の5年後の生存率は、そうでない方の約6割程度になるといわれています)
閉塞型睡眠時無呼吸症候群と、中枢型睡眠時無呼吸症候群に大きく分けられます。
今回ここでは睡眠時無呼吸の大部分を占める閉塞型睡眠時無呼吸症候群について説明いたします。
典型的な睡眠時無呼吸症候群の方の体型は肥満体型で、二重顎、下顎が小さめといわれています。