あけぼの耳鼻咽喉科クリニック | 札幌市 手稲区|耳鼻咽喉科|

〒006-0834
北海道札幌市手稲区曙4条3丁目15-30
TEL:011-688-3387
休診日:水曜・土曜午後、日祝
あけぼの耳鼻咽喉科クリニック
What's New
RSS
2013年7月11日
小児の急性中耳炎
1)急性中耳炎って?
急性中耳炎は 鼻の奥に付着した細菌が耳管という耳と鼻をつなぐ管から中耳内に侵入し感染することによって発症します。
乳幼児では大人と比べ耳管が短く、水平になっているため簡単に鼻から耳へ細菌が侵入しやすくなっています。
原因となる細菌は肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブランハメラ・カタラ−リスといったものが多く乳幼児の鼻咽腔に存在しており、風邪などウイルス感染後に増殖して中耳炎を引き起こします。

2)急性中耳炎の治療
鼓膜が赤くなっているだけで、腫れが強くない軽症の場合は、ばい菌をやっつける抗生剤を内服します。このとき、鼻水や痰が鼻咽腔にあるとばい菌の供給源になるので鼻水や痰を少なくするお薬も合わせて内服していただきます。
抗生剤は消化管から吸収され、血液の中に溶け込んで一定の濃度にならないとばい菌をやっつけることができないので、1日3回のところを2回しか飲めないとか、飲み忘れがあると、ばい菌をやっつけるどころか、菌が抗生剤になれてしまって薬が効きにくい菌になってしまうこともありますので、がんばって飲んでくださいね。
 保育園や幼稚園に行っていると昼の分が飲めないという場合もあると思いますが、帰宅後すぐに薬を飲んで、夕食後、または、寝る前に飲んでいただくような形でもかまわないので1日3回飲んでください。
 最近は昼に飲まなくてもいいような薬も多く出てきましたので3回どうしても飲ませられない方は遠慮なく教えてください。
鼓膜が赤く腫れ上がった重傷の急性中耳炎になると強い痛みと高熱がでます。
この状態は抗生剤の内服だけではばい菌をやっつけきれません。
中耳内に膿をためていることにより、耳の後ろの骨にまで炎症が広がり(急性乳突洞炎)入院や手術が必要になることもあり、鼓膜切開が必要になります。
鼓膜表面に痛み止めを含ませた綿球をおいてしびれさせた後、細長い鼓膜切開刀というメスをつかって小さく切開します。
鼓膜を切開することによって聞こえが悪くなるのでは?と心配される方が多いのですが、中耳炎により中耳内に多量の膿がたまっていることによりすでに聞こえが悪くなっており、切開して膿を吸引した方が、聞こえがよくなります。
切開した穴は子供の場合短くて翌日、長くても1週間以内に閉鎖してしまうことがほとんどです。
鼓膜切開後は、血と膿の混じった耳だれが出てきます。耳の外に出てきたものはティッシュで拭き取って、処方される点耳液を耳に入れてください。小さな子供の場合は耳に薬を入れて5分〜10分じっとしているなんて無理なことが多いですので、耳の中に入ってしまえばそれてOKです。
切開当日のお風呂は入らない方が無難でしょう。翌日解熱して元気であれば入ってもらってかまいませんが耳に水が入らないよう気をつけてください。

鼓膜が腫れて膿がたまっている
重症な中耳炎

鼓膜を切開すると膿が流れ出て腫れが引きます


耳漏が多ければ、耳の洗浄や清掃が必要ですので、頻回の受診が必要です。
耳の痛みが取れ、熱が下がって耳だれがなくなっても油断禁物です。
急性中耳炎から回復するときは一気に正常な耳になってくことは少なく、いったん、耳の中に粘液(滲出液)がたまる滲出性中耳炎に移行して、粘液がなくなって、やっと完治となっていきます。

回復期の急性中耳炎透明感が出てきました。
もう少し、風邪ひかないように気を付けて!!


やったー!!完治しました!!
でもぶり返さないよう、うがい手洗い、規則正しい生活。
これが大切です。