皮膚疾患について|アトピー性皮膚炎の治療について(1)ステロイド外用薬について|札幌市中央区 皮膚科 大通駅 AGA 男性型脱毛症 プロペシア|加藤直子皮膚科スキンクリニック

加藤直子皮膚科スキンクリニック

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皮膚疾患について
【アトピー性皮膚炎の治療について(1)ステロイド外用薬について(院長 加藤直子)】

これからアトピー性皮膚炎の治療について少しずつ解説したいと思います。
アトピー性皮膚炎をコントロールして快適な生活を送るためには正しい外用治療、内服治療、紫外線による光線治療などをきちんと受けることが大切です。それと並行して、環境の整備や保湿剤によるスキンケアを行いましょう。
皮膚科で行うアトピー性皮膚炎の治療の基本は、ステロイド外用薬とタクロリムス軟膏を、皮疹の程度や部位に合わせて、強弱をわきまえて選択し、種々組み合わせて使用することです。その理由は、それらの薬は、アトピー性皮膚炎の炎症を速やかに、かつ確実に鎮静させる薬剤として、十分に研究され、評価されているからです。
今回はステロイド外用薬について説明します。
ステロイド外用薬に求められている主たる作用は、その抗炎症効果による皮膚炎症のコントロールと、抗アレルギー作用による皮膚のアレルギー反応のコントロールです。しかし一方、ステロイド外用薬には望ましくない副作用があることも事実です。それらは、本来ステロイド薬が持つ免疫抑制作用による皮膚の局所免疫の低下による皮膚の感染症の併発、ステロイド薬のホルモンとしての作用に伴う多毛やざ瘡(にきび)の発生、ステロイド薬が細胞の増殖を抑制する作用を持つことによる皮膚の萎縮(薄くなること)や毛細血管の拡張(血管周囲の線維芽細胞の増殖が抑えられることによるといわれています)などです。
ステロイド外用薬はその主たる作用の強さにより5段階にランク分けされています。効果の高い順から、T ストロンゲスト(最強)、U ベリーストロング(とても強い)、V ストロング(強い)、W ミディアム(中間)、X ウイーク(弱い)の5段階です。表1には日本皮膚科学会が2009年にまとめた、それぞれのランクのステロイド外用薬の一般名と代表的な商品名が載っています。このグループ分けは、強い皮膚炎の症状には高いランクのステロイド外用薬、弱い皮膚炎の症状には低いランクのステロイド外用薬が選択されるためにあります。さらにステロイド外用薬は一般的に、それぞれのステロイド外用薬の効果の高さと皮膚局所における副作用の起こりやすさは平行します。ですから、必要以上に強いステロイド外用薬を選択せずに、それぞれの皮疹の重症度に見合ったランクの薬剤を、それを外用する部位と患者さんの年齢なども考慮して選択してゆくことが重要です。皮膚科専門医はその教育をかなりみっちりと受けていますので、この原則にのっとってそれぞれの部位のそれぞれの皮疹にベストと考えられるステロイド外用薬を処方しています。


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