アトピー性皮膚炎の治療について(2)ステロイド外用薬の作用メカニズム|札幌市中央区 皮膚科 大通駅 AGA 男性型脱毛症 プロペシア|加藤直子皮膚科スキンクリニック

加藤直子皮膚科スキンクリニック

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【アトピー性皮膚炎の治療について(2)ステロイド外用薬の作用メカニズム(院長 加藤直子)】

ステロイド外用薬を皮膚に塗った時に、その軟膏がどのようにして効いているのかについて解説します。

ステロイド外用薬(グルココルチコイドGC)の分子量は約450から520です。このサイズでしかも脂溶性(脂に良く溶ける性質)であるため、皮膚の表面に外用されたステロイド薬は細胞膜を良く通過して表皮細胞の細胞質の中に入ります(図1)。細胞質の中ではグルココルチコイド受容体(glucocorticoid receptor; GR)に結合します。グルココルチコイド受容体は非活性な状態では熱ショックタンパク質90(heat shock protein 90; HSP90)と結合していますが、ステロイド薬と結合すると、この熱ショックタンパク質90が離れます。受容体と結合したステロイド薬は、2個がくっついた形(ホモダイマー)となって核膜を通過して表皮細胞の核の中に入ります。
その後このホモダーマーは、グルココルチコイド応答配列(glucocorticoid response element; GRE)に結合して、その下流の遺伝子の転写を促進します。下流には炎症を抑制する因子の遺伝子があるため、結果として抗炎症因子がたくさん産生されることになります。一方、炎症を惹起する因子(サイトカインや接着分子など)の遺伝子はAP-1 (activator protein-1)やNF-κBなどの転写因子によりその転写が促進されますが、ステロイドホルモンと受容体の複合体はAP-1やNF-κBと直接結合して、これらの転写因子の活性を抑えます。その結果、炎症に関与する 分子類の産生が抑えられ、抗炎症効果が発揮されます。



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