ラテックスアレルギーとは天然ゴムラテックスから作られたゴム製品に含まれる可溶性タンパク質に対する即時型アレルギーのことを言います。即時型アレルギーとはアレルギーの5種類の型の中のT型に分類されているタイプで、抗原(アレルゲン)が体に侵入すると即時(数分から数十分)に反応が起こるものです。代表的なものには喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、蜂刺され後の蕁麻疹やアナフィラキシーショックと言われる全身反応などがあります。
近年、ウイルス性肝炎やエイズ(後天性免疫不全症候群)などの感染防御を目的として、ゴム手袋やコンドームなどのラテックス製品が頻用されるようになり、急増しています。
ラテックスアレルギーの原因製品には日用品としてのコンドームやゴム風船などや、医療用具としての手袋やカテーテルや絆創膏などがあげられています(図1)。これら以外にも天然ゴムが使用されている製品はすべて原因になる可能性があります。
図1
このような症状を起こしやすい人(ハイリスクグループ)には、医療従事者や頻回にゴム製品との接触がある人などのほか、クリ、バナナ、アボカドなどの食物アレルギーを持っている人達があげられます(図2)。この理由はクリ、バナナ、アボカドなどの食物には、天然ゴムラテックスに含まれている抗原(アレルゲン)であるヘベインというタンパク質と同様の構造を有する物質が含まれているからです。
図2
ラテックスアレルギーのある人がラテックス(ゴム)と接触するとかゆみや赤み、蕁麻疹(ゴム製品の接触部位に出現したり接触部位以外の全身にも出現します)や目の周りの浮腫(血管性浮腫)などが起きます。また、鼻炎や結膜炎が起きたり、喘息や気管支の痙攣の症状や喘鳴、さらには血圧低下やアナフィラキシーの症状などに発展することもあります。
ラテックスアレルギーを持っている人はゴム製品との接触を控える必要があります。治療はステロイドホルモンの外用をしたり抗ヒスタミン剤の内服をしたりします。激しい症状の場合にはステロイドホルモンの内服をするなどの必要があります。皮膚科に受診されることをお勧めします。