これからの季節は太陽を浴びて、楽しくアウトドアライフを楽しみたいと思います。注意しなければいけないのは太陽光線に含まれる紫外線の皮膚への悪影響です。ひと口に紫外線と言ってもUVC、UVB、UVAに分類されており、地表に降り注いで皮膚に種々の影響を与えるのはUVBとUVAです(図1参照)。
図1
正午を挟んだ2時間で1日の総紫外線量の約60%が地表に降り注ぎます。その時間帯に屋外にいると、かなりの量の紫外線を顔、耳、手の甲などの露出部の皮膚に浴びます。紫外線の急性障害として、日焼け(サンバーン)が生じます。サンバーンのピークは紫外線を浴びた24時間後にあります。また、紫外線を慢性的に浴び続けることによる障害は、光老化と呼ばれています。一般的な加齢による皮膚の老化では、皮膚は薄く弱くなりますが、光老化では紫外線に対する防御反応の結果として、皮膚が厚く色素が濃くなります。20代以降の人の顔や手の甲など、日常的に日光を浴びる部分に日光性黒子(シミ)が現れます。さらに紫外線照射は、皮膚の細胞のDNA(遺伝情報)に損傷を与え、これが繰り返されることによって皮膚がんが生じる「光発がん」の危険性を高めます。 紫外線対策として、帽子や長袖のウエアーを着用し、日焼け止め(サンスクリーン)をつける必要があります。サンスクリーン剤の有効成分には紫外線散乱剤と吸収剤があります(図2参照)。
図2
しかし最近では技術が進歩し、散乱剤でも分子を小さくすると吸収作用も有するなど、この分類は厳密なものではなくなってきています。 サンスクリーン剤にはSPFやPAなどの指数が表示されています。これらは日本化粧品工業連合会で取り決められている紫外線防御の指標となるものです(図3参照)。
図3
SPFはsun protection factorの略で、赤くなる日焼けを抑える指標と考えてください(図4参照)。
図4
PAはprotection grade of UVAの略で、黒くなる日焼けを抑える指標と考えてください(図5参照)。
図5
それぞれ、サンスクリーン剤の生産国によっても表記が異なっていますので、よく確かめて購入することをお勧めします。
当院では、紫外線防御効果が非常に高いSPF50+やPA++++などの効果が表記されている資生堂社のNAVISION DR(ナビジョン ディーアール)や日本ロレアル社のLA ROCHE-POSAY(ラ ロッシュポゼ)などのサンスクリーン剤を扱っております。お気軽にご相談ください。