皮膚疾患について|最近増えている帯状疱疹(たいじょうほうしん)について|札幌市中央区 皮膚科 大通駅 AGA 男性型脱毛症 プロペシア|加藤直子皮膚科スキンクリニック

加藤直子皮膚科スキンクリニック

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皮膚疾患について
【最近増えている帯状疱疹(たいじょうほうしん)について (院長 加藤直子)】

症状、治療についての解説です。

1)帯状疱疹とは

帯状疱疹は俗に痛い病気として知られています。体の片側に帯状に浮腫を伴った紅斑を生じ、その上に水疱が形成され、その後、膿疱(黄色)から痂皮(かさぶた)となる疾患です。
皮疹の出ている部位にほぼ一致して神経痛様の疼痛(いたみ)や知覚異常、時にはそう痒を伴うのが特徴です。特に三叉神経領域(顔)に出現すると、痛みや腫れのため患者さんの苦痛が強く、生活の質が極端に落ちる疾患です。帯状疱疹の発症率は人口10万人あたり年間500人程度といわれていましたが、最近はこれよりもかなり増えています。
高齢者が増えてきたせいかと思いますが、高齢者でも帯状疱疹に罹患せずに天寿を全うする方も多く、生涯に帯状疱疹を発症する人は全人口の10〜20%程度といわれています。


2)原因

帯状疱疹は水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスが原因で発症します。水痘・帯状疱疹ウイルスはヒトヘウペスウイルス3型(HHV-3)とも呼ばれ、初感染では水痘を発症します。
水痘とは俗にいうみずぽうそうのことです。みずぽうそうは通常は子供の時に罹患します。その感染は気道を経由しておこります。つまり、みずぼうそうの患者さんの気道内にいるウイルスが咳などで吐き出されて空気中に飛び散り、それを吸入して感染します。
感染後すぐに発症するのではなく、14日から16日間の潜伏期を経てみずぼうそうが現れてきます。みずぼうそうが治ったのち、水痘・帯状疱疹ウイルスは知覚神経節という末梢神経の神経細胞(サテライト細胞)が集合した塊様の構造部に潜伏感染をします。潜伏ウイルスはこの部で数十年以上にわたって潜伏しつづけますが、この間は人の免疫力によりウイルスは不活性な状態に抑えられています。
しかし、過労やストレス、重症感染症、自己免疫疾患、悪性腫瘍、あるいはそれらに対する免疫抑制剤や抗がん剤などの薬剤投与、放射線治療などが誘因となって、ウイルスの再活性化がおこります。再活性化した水痘・帯状疱疹ウイルスは知覚神経を伝わって皮膚まで到達し、この時に神経周囲と皮膚で炎症を起こし、これが帯状疱疹といわれる疾患です。


3)特徴

帯状疱疹の大きな特徴は痛みがあることです。痛みには前駆痛(ぜんくつう)という皮膚に症状が出現する前の痛みと、急性痛という帯状疱疹が出ているあいだの痛みと、慢性痛という帯状疱疹の皮疹が消失したあとに残る痛みの三種類があります。前駆痛は皮膚に水疱が出る3日から7日ほど前から片側の神経に沿う形で起こりますが、軽いこともあればかなり疼痛が強いこともありさまざまです。
急性痛も全く痛みのない人から耐えがたい痛みの人までさまざまですが、皮膚の帯状疱疹のピークよりも少し遅れる頃に痛みのピークがあります。慢性痛は帯状疱疹後神経痛と呼ばれる最も問題となる痛みです。持続的に灼熱痛といわれる焼かれたような痛み(このようなタイプはカウザルギーと呼ばれています)や、ちょっと触っただけで誘発されるビリっとする痛み(アロディニアと呼ばれています)などで、どちらも患者さんにかなりの苦痛を与えてしまいます。
稀れですが運動神経の麻痺も起こります。顔面神経麻痺、三角筋麻痺、腹直筋麻痺などが起こります。特に顔面神経麻痺を伴う帯状疱疹の場合は、味覚障害、耳鳴りやめまいなどを伴うこともあり、ラムゼイ-ハント症候群と呼ばれています。
痛みも辛い症状ですが、これらの運動神経麻痺を伴う帯状疱疹は患者さんの生活をとても不便なものとしてしまいます。帯状疱疹全体の約0.4%(帯状疱疹250人に1人の割合)で起こるといわれています。


4)治療の目的と方法

現在は帯状疱疹に大変有効な抗ウイルス薬が開発されていますので、医師はできるだけ早期に帯状疱疹と診断し、必要な抗ウイルス薬を効果的に使用しようと考えています。
前駆痛の時期に確実に帯状疱疹と言い切ることは不可能ですが、片側性に神経に沿う形の疼痛を持つ人が受診した場合は、帯状疱疹を疑って、皮疹の特徴について伝え、帯状疱疹の皮疹が出現したらすぐに受診していただき、抗ウイルス薬の全身投与を開始したいと考えています。
皮疹の出現から72時間以内に開始できれば、ウイルスの増殖をかなり効率よく抑えることができると言われています。そのことが、急性痛を抑え、皮疹の再上皮化(水疱や痂皮で取れてしまった皮膚が再生すること)を助け、帯状疱疹後神経痛の発生を減らしたり程度を軽くしたりすることができると信じられています。ただし、抗ウイルス薬の効果は内服開始後1日以上経ってから現れますので、急性期の激しい疼痛には消炎鎮痛剤の全身投与による助けも必要です。
クリニック(診療所)では通常、経口用抗ウイルス薬の処方をいたします。内服の回数が少なくて済むタイプの抗ウイルス薬を1日3回(2錠ずつ)、7日間以内の処方を行っています。その際、即効性はありませんが疼痛の軽減の目的でビタミンB12の内服を併用することも薦められています。
帯状疱疹後神経痛を発症してしまった場合には、残念ながら特効薬、即効薬などはないのですが、三環系抗うつ薬と呼ばれる薬剤の内服により、かなりの程度まで疼痛の緩和が認められています。一般的には神経痛の部位を冷やさずに保温することが痛みの軽減につながると言われています。

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