〜皮膚科で正しいニキビ治療を受けましょう〜
〜ニキビ治療には日常のスキンケアも大切です〜
ニキビは学名ではざ瘡(ざそう)と言い、顔、首、胸、背などに好発します。普通のニキビは、思春期に性ホルモンの分泌が盛んになり、毛孔の付属皮脂腺の働きが活発になり、毛孔内に皮脂や角質がたまる面皰(めんぽう)が形成されて発生します。毛孔にもともと常在しているニキビ菌が面皰内で増殖すると、毛孔と皮脂腺全体に炎症が起こり、紅色の丘疹や黄色の膿疱(のうほう)が生じます。これがニキビです。
尋常性ざ瘡治療ガイドライン(2017、日本皮膚科学会)では、ニキビの標準治療法を、治療開始から3カ月程度までの急性炎症期と、その後の維持期に分けて示しています。治療の基本は面皰の形成を抑えることです。そのために毛孔の角質の産生を抑える薬剤(アダパレン)や角質の剥離を促す、いわゆるピーリング作用を有する薬剤(過酸化ベンゾイル)などを、就寝前の洗浄後にニキビとその周囲に面状に塗り広げます。それらに加えて、炎症期のニキビの場合は外用抗菌薬(クリンダマイシン、ナジフロキサシン、オゼノキサシンなど)をニキビそのものに塗り、中等症以上であれば内服抗菌薬(ドキシサイクリン、ミノサイクリン、ロキシスロマイシン、ファロペネムなど)も追加します。最近は、ピーリング作用を持つ薬剤と抗菌薬との配合薬や、ピーリング作用を持つ薬剤同士の配合薬なども使用可能です。
ガイドラインには日常のスキンケアの重要性についても記載され、QOL(生活の質)の改善のためのメイクアップ(化粧)も選択肢の一つとして推奨されています。これには低刺激性でノンコメドジェニックな(面皰を形成しにくい)基礎化粧品を使用することが推奨されています。それらに詳しい皮膚科で正しい指導や治療を受けることをお勧めします。
オントナ8月68日号に添付の『ニキビの治療は急性炎症期と維持期で異なります〜皮膚科で正しいニキビ治療を受けましょう〜』